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　4月から7月にかけてWOWOWでは「劇場版 平成仮面ライダー」44作品を特集放送。それに合わせて、シネピックでは仮面ライダー役から人気俳優へと大きく飛躍した歴代キャストにフォーカスし、その魅力を2週連続企画で読み解く。

文＝竹之内円

　ドラマや映画でストーリーを語るのが主人公だとするならば、その作品の世界観をつくっているのが準主役や脇役などの助演俳優たち。「平成仮面ライダー」がスゴイのは、助演キャストからも多くの人気俳優が誕生していることだ。主役である仮面ライダーは戦い続ける宿命を背負うが、敵役は怪物になってしまった(生まれてしまった)悲劇や哀しみを背負っている。実は観る者の感情により訴えかけるのは、彼ら準主役たちなのだ。

「平成仮面ライダー」の第1作「仮面ライダークウガ」（'00～'01）で遺跡から目覚めた古代種族グロンギの王、ン・ダグバ・ゼバの人間体で俳優デビューしたのが今やミュージカル界のプリンスと呼ばれる浦井健治。最終回ではオダギリジョーと雪の中で殴り合うという壮絶なラスト・バトルを見せる。

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　第13作「仮面ライダーフォーゼ」('11～'12)の"2号ライダー"として登場したのが、吉沢亮扮する仮面ライダーメテオこと朔田流星。流星はスパイとして主人公たちの通う高校に編入してきた、表向きは笑顔の優等生なのに裏では毒を吐きまくるトンデモ・キャラで、吉沢が後に演じる『銀魂』('17)の沖田総悟などの"美形なのにどこか変"な役を思わせる。

　異次元の植物によって世界が侵食されていくのが第15作「仮面ライダー鎧武/ガイム」('13～'14)。その実を食べた者はインベスと呼ばれる怪人となり、主人公ガイムが倒したインベスが実は尊敬する先輩だったなど衝撃の展開が続出した。同作の中で、高い知能をもちながら精神が幼いために周囲や自身を破滅に追いやる呉島光実（＝仮面ライダー龍玄）という難役を演じたのが、『十二人の死にたい子どもたち』('19)や『見えない目撃者』('19)などで活躍著しい高杉真宙。また主人公のライバルでクール＆ストイックな駆紋戒斗（＝仮面ライダーバロン）を演じたのは、人気グループBOYS AND MENのメンバーでお菓子大好きな愛されキャラの小林豊。その素顔と、戒斗役とのギャップは同一人物と思えないほどだ。

　主人公が第1話で死んで幽霊になるというまさかの展開で始まったのが第17作「仮面ライダーゴースト」('15～'16)。敵である眼魔の世界の住人だが兄によって父親殺しの濡れ衣を着せられるアラン（＝仮面ライダーネクロム）を演じたのは、NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」('17)のヒデ役やドラマ「今日から俺は！！」('18)の相良役で知られる磯村勇斗。主人公を憎む敵から親友へとアランが徐々に変わっていく過程を演じ切った。

「平成仮面ライダー」のプロデューサーからこんな話を聞いたことがある。「仮面ライダージオウ」('18～'19)の狂言回し的役柄で全てを知る未来人ウォズを演じた渡邊圭祐は、コミカルなシーンではよりコミカルに、シリアスなシーンでは抑えた芝居をと、柔軟に役に挑んだことで当初の設定が変更され、結末に関わる重要な役へと変わっていったという。

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